部門紹介

栄養科

概要

当院の栄養科は、医療技術部に属し、入院時より担当管理栄養士が患者さま一人ひとりの栄養状態や身体状態・嚥下機能などを把握し、各職種と連携して栄養管理を行っています。
患者さま本人や家族の気持ちを尊重して、QOL維持・向上のため、安心・安全な食事の提供を行っています。
また、特に重点的な栄養管理の必要な患者さまに対しては、多職種からなるチームNST(栄養サポートチーム)による回診も毎週行っています。

栄養科責任者 佐藤三奈子

業務内容

栄養管理

入院時に担当管理栄養士より患者さま一人ひとりの生活状況や身体状況などから栄養状態を把握します。
栄養評価は入院中随時更新をしていき、病態・病状に合った栄養管理を実施していきます。当院は認知症専門病院であり、認知症がもとで発症してくる摂食嚥下障害も少なくありません。
嚥下状態の評価から、摂食面での工夫などに対しても、管理栄養士が積極的に介入をし、他職種と連携をしながら食事提供をしています。
入院中の栄養状態や食事の様子などは、カンファレンスを通じてご家族さまへ情報提供を行っています。

安全・安心な食事の提供

衛生的で安全な食事の提供を行うために、厨房内の整備・食品の衛生管理・スタッフの衛生管理および健康管理に努めています。
患者さま個々に合わせた安全な食事内容の提供を行っています。

栄養指導・栄養相談

入院・外来患者さまに対して、管理栄養士が常時栄養相談を行っています。
相談内容は、認知症の進行や精神症状にも影響があると言われる糖尿病などの生活習慣病はもちろんの事、摂食嚥下障害や食欲不振など幅広い内容の相談にも対応しています。
患者さま個々はもちろん、介護者であるご家族さまの生活状況にも合わせて行っております。

入院中の食事内容

医師の指示に基づき、患者さま個々の状態に合わせた食事を提供させていただきます。給食調理業務は、給食会社へ業務委託しています。

食事の種類

病院で提供する食事(治療食)には、一般治療食と特別治療食があります。各々の病状に合わせた食事量や栄養補助食品の調整、食事形態(ペースト、ムース、ソフト、軟菜一口大)、アレルギーなどに対応しています。

一般治療食 特別治療食以外で、特に疾患による栄養成分量の制限がない食事です。
日本人の食事摂取基準(2020年版)を基に成分量を設定しています。
特別治療食 治療の一環として食事の成分量を調整した食事です。エネルギーコントロール食、減塩食、たんぱく質コントロール食、脂質コントロール食があります。

適時適温給食

温冷配膳車を導入し、冷菜は冷たく、温菜は温かいまま提供しております。

朝食 8:00 昼食 12:00 夕食 18:00

行事食

入院中も四季や行事などを感じていただけるよう、また食事に楽しみを見いだせるよう行事食やイベントを通じて食事を楽しんでいただけるよう心掛けています。

年間行事食予定

※年によって内容が変更になる場合があります。

1月おせち、七草粥
2月節分
3月ひな祭り
4月春の味覚
5月開院記念日
6月入梅
7月七夕
8月夏祭り
9月敬老の日
10月ハロウィン
11月勤労感謝の日(秋の味覚)
12月クリスマス、年越しそば
節分
ひな祭り
開院記念日(職員食)
七夕
夏祭り(職員食)
お月見(ソフト食)
敬老の日
ハロウィン
クリスマス

雑誌掲載記事

当院の食事と栄養管理に関する工夫が雑誌に取り上げられました。

株式会社 日本医療企画
ヘルスケア・レストラン2017年8月 通巻289号
撮影 近藤幸司
編集人 佐々木修

チーム医療

NST

NST(栄養サポートチーム)とは、様々な医療の専門職種がチームを組み、入院中最良の栄養療法を提供するために構成された院長直轄の医療チームです。
当院では、栄養科が事務局となり、回診メンバーは医師・管理栄養士(NST専門療法士)・看護師・薬剤師(NST専門療法士)・臨床検査技師・作業療法士・医療相談員で構成されています。
入院患者さまの栄養状態を評価し、チームでの提言が必要な方に、栄養状態の改善・治療効果の向上・合併症の予防・QOL(生活の質)の向上・在院日数の短縮・医療費の削減などを目的に活動しています。
また、NSTが中心となり、職員へ食支援教育や摂食嚥下障害の教育も行っており、定期的な病棟ラウンド、委員向け研修を実施し技術向上に努めています。

ICT(院内感染対策チーム)

院内のICTメンバーとして、院内ラウンドや他病院のICTとのカンファレンスにも管理栄養士としての視点から院内感染や環境整備に貢献できるよう出席しています。

褥瘡対策

褥瘡の治癒には栄養状態が大きく影響します。毎月の褥瘡回診にも参加をし、各病棟担当との情報共有、さらに褥瘡対策委員会では、各病棟の褥瘡保有状況を把握し、予防や早期治癒を目標に活動しています。

地域活動

地域連携の一環として、栄養講演やフレイルチェック会へ参加し、地域の食育活動や低栄養対策にも努めています。
また、川崎市認知症キャラバンメイトとして、認知症サポーター養成講座の講師活動にも参加しております。

対外発表実績(過去5年)

日付学会名
2025.02第40回日本栄養治療学会学術集会
「NSTから広げる食支援スキル向上への取り組み」
2024.11第48回日本高次脳機能学会学術総会 ランチョンセミナー
「認知症疾患による摂食障害・栄養管理を考える」
2024.08第30回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術集会
「食事環境の質向上を目指すチームアプローチ」
2023.06第25回 日本医療マネジメント学会 学術集会
「認知症栄養管理における栄養補助食品使用の見直し」
「認知症患者の摂食行動に関わる口腔内観察の重要性
 ~管理栄養士と看護師の協働~」
2023.05第38回日本臨床栄養代謝学会 学術集会
「認知症患者の入院時食事形態と栄養状態の関係性」
2021.07第36回日本臨床栄養代謝学会 学術集会
「認知症における経口摂取継続への取り組み」
2021.03第3回神奈川県栄養士会実践・研究大会
「認知症患者の食支援」

スタッフ紹介

スタッフ数

管理栄養士(常勤)5名が在籍しております。(2024年10月現在)

資格および認定資格取得者

2024年10月現在

資格名人数
日本糖尿病療養指導士2名
病態栄養専門管理栄養士(旧:病態栄養専門師)1名
NST専門療法士1名
日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士1名
NSTコーディネーター1名