部門紹介

リハビリテーション科

概要

リハビリテーション科には、作業療法士、理学療法士といったリハビリ専門職が従事しています。
認知機能への働きかけや生活リズムの改善を目的に、運動、作業活動(手工芸・園芸など)といった集団活動を中心に行っています。また、入院してから1年間の患者さまには、精神科では全国的にも珍しい個別でのリハビリを行い身体機能の維持を図っています。病棟スタッフと協力しながら、患者さまの残存能力を最大限に発揮していただけるリハビリを目指しています。
また、目標として掲げている「入院している全ての患者さまに質の高いリハビリを提供すること」を実現するべく、個別・集団それぞれのリハビリにおいて認知症治療病棟ではおそらく全国初となる「365日リハビリテーション」を開始いたしました。より一層リハビリが出来る環境を充実させていきます。

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業務内容

ご本人さまを第一に考え、理学療法士及び作業療法士を中心としたリハビリテーションを提供しております。
リハビリは集団リハビリと個別リハビリの2種類があり、それぞれ役割や目的が異なっています。

集団リハビリ

集団リハビリは主に規則正しい生活リズムでの生活を目標に1日2時間、15人程度の患者さまに集まっていただき実施しています。
活動内容は主に体操、レクリエーション、頭の体操、回想法、手作業、整容(身なりを整える)などです。
精神科作業療法士、音楽療法士、作業療法助手が協力して企画・実施しています。

集団リハビリには、

  • 楽しみの提供を通して生活に張り合いをもってもらう
  • 他者と活動を共にすることで安心感を得る、自己や他者を認める
  • 集中したり体を動かすことで適度な疲労感を与え、夜間の睡眠を促す
  • 昔懐かしい音楽や話題に触れ、記憶を呼び戻すことで不安を軽減する

といった様々な効果があります。
また、作業療法士は病棟担当制であるため、患者さまの認知機能や症状のほか、これまでの生活歴や趣味などを把握して、その方に適したプログラムの提供や関わりが可能です。

個別リハビリ

認知症は記憶などが低下しやすいイメージですが、身体機能も徐々に低下をしていきますので、早期より身体機能低下予防や精神的にフォローを行うことが必要とされています。
個別リハビリは入院後1年間の患者さまを対象としてリハビリを行っており、現在リハビリ対象患者さまへの個別リハビリテーション介入率は98%以上と高い水準を保っています。
認知症を呈している患者さまの中には転倒し骨折される方や、肺炎を呈しベッド上で過ごされている方もいらっしゃいますが、個人個人の身体・精神状態に合わせ患者さま一人一人にあったプログラムを提供しています。
国の規定により週3回までの介入となっていますが、個別リハビリを担当する職員は毎日出勤しているため身体機能の変化の相談や評価など病棟と協力しすぐに対応できる体制を整えています。

  • *個別リハビリテーションは国の規定により入院日から1年間 週3回までの介入となっています。

病棟専従リハビリスタッフ

各病棟に1名、作業療法士である専従リハビリスタッフが配置されています。
集団リハビリの実施のほか、カンファレンスに参加してご家族さまに患者さまの現在の状況をお伝えしたり、他職種と治療方針や方向性について話し合ったりしています。
また、手すりやセンサーの設置などで転倒転落による外傷予防をしたり、お身体にあった車椅子や、歩行状態にあった靴の購入を検討したりと、ひとりひとりにあった福祉用具の選定を行っています。
認知症の患者さまは、自分自身の状態を把握できずに転びそうなことに気づかなかったり、苦痛が伝えられない方もいらっしゃるので、環境面の調整はとても重要です。

研修・研究活動

年度学会名詳細・発表者名
2024第48回日本高次脳機能学会学術総会入院早期からの集団作業療法の多頻度介入の効果に関して
阿部 穂乃果/吉崎 広大/国分 健留/當間 七星/木村 充/中山 修斗/菅 寛子/結城 進矢
2024第48回日本高次脳機能学会学術総会認知症治療病棟での身体機能以外での転倒転落予測因子に関して
吉崎 広大/松村 早紀/国分 健留/阿部 穂乃果
2024第6回神奈川県臨床作業療法大会臥床傾向の強いアルツハイマー型認知症患者に対する趣味活動導入による意欲向上の取り組み
荒 洋行/市村 和樹
2024第10回精神・心理理学療法学術大会個別リハビリによって離床促進及び疼痛軽減に繋がり臥床時間短縮に繋がった症例
田中 胡桃/八重田 和宏/山口 朝樹/吉崎 広大
年度学会名詳細・発表者名
2023年第9回 日本精神・心理領域
理学療法研究会学術大会
「BPSDがある患者に対し脳活性化リハビリテーション5原則に基づきBPSDの軽減と身体機能の維持を目指した症例」
■発表者名:市川 真衣/前原胡桃/国分 健留/八重田 和宏/山口 朝樹/吉崎 広大
2023年第25回日本医療マネジメント
学会学術総会
「コロナ禍により変化した集団作業療法~提供内容とwithコロナにおける今後の課題」
■発表者名:市村 和樹
2023年第25回日本医療マネジメント
学会学術総会
「BPSDを有する認知症患者への介入~PALを用いた作業提供と支持的な関わり~」
■発表者名:北原 花織
2023年第25回日本医療マネジメント
学会学術総会
「前頭側型認知症に対するTEACCHプログラムを用いたアプローチ~能動性向上に向けて~」
■発表者名:滝澤 厚志
年度学会名詳細・発表者名
2022年第8回精神・心理領域
理学療法研究会
「認知症治療病棟における、自宅退院者と施設退院者の退院時の移動形態について」
■発表者名:国分 健留/市川 真衣/鈴木 麻友/八重田 和宏/山口 朝樹/結城 進矢/菅 寛子/吉崎 広大
年度学会名詳細・発表者名
2021年第7回精神・心理領域
理学療法研究会
「コロナ禍における理学療法士の認知症治療病棟での病棟業務支援に関して」
■発表者名:八重田 和宏/山口 朝樹/吉崎 広大
2021年第62回全日本病院学会「認知症治療病棟における365日リハビリテーション開始までの経過報告」
■発表者名:吉崎 広大/佐々木 淳/山中 真麻/市村 和樹
年度学会名詳細・発表者名
2020年第6回精神心理領域
理学療法研究会
「離床・運動療法に拒否のあるレビー小体型認知症患者に対し,軍歌の導入により歩行練習距離が改善した症例」
■発表者名:山口 朝樹/吉崎 広大
2020年第6回精神心理領域
理学療法研究会
「認知症治療病棟の転倒に対して疾患・時間帯・行動心理症状からの要因分析」
■発表者名:吉崎 広大/佐藤 真帆
年度学会名詳細・発表者名
2019年第5回日本医療安全学会
学術総会
「アルツハイマー型認知症患者とレビー小体型認知症患者の転倒に関する要因分析~時間帯・行動心理症状の視点から~」
■発表者名:吉崎 広大/佐藤 真帆/岡澤 学
年度学会名詳細・発表者名
2018年日本認知症ケア学会
関東地域大会
「レビー小体型認知症患者に対する生活歴に基づいた意欲向上の取り組み~集団活動に盆踊りを導入することで閉じこもりが減少した一症例~」
■発表者名:荒 洋行/岡澤 学
2018年日本認知症ケア学会
関東地域大会
「排泄時の介護抵抗に対して誘導の仕方を検討することで改善が認められた一症例~本人のペースに合わせた関わり方~」
■発表者名:今井 琴仁/西田 真麻/岡澤 学
2018年第52回 日本作業療法学会「認知症治療病棟における転倒転落の特徴と予防の効果に関する研究」
■発表者名:岡澤 学/金井 啓揚/吉崎 広大/佐藤 真帆
2018年第19回日本認知症ケア学会「認知症患者に対する非薬物療法に準拠した包括的な訓練プログラムの作成」
■発表者名:岡澤 学
2018年第19回日本認知症ケア学会「レビー小体型認知症患者に対して本人の興味のある作業を提供した一例~心気的訴えと易刺激性や不安・不満の軽減を図る~」
■発表者名:河原 緋奈子
2018年第35回神奈川県
理学療法士学会
「認知症治療病棟における理学療法対象患者の移動形態の変化について~現状の算定可能期間から理学療法士の介入意義を考える~」
■発表者名:吉崎 広大/岡澤 学
2018年第4回 日本医療安全学会
学術総会
「認知症治療病棟における生活行為と移動形態に基づく転倒転落対策策定のためのフローチャート作成」
■発表者名:岡澤 学/金井 啓揚/吉崎 広大/佐藤 真帆
年度学会名詳細・発表者名
2017年精神心理領域理学
療法部門セミナー
「認知症患者に対して理学療法士が何が出来るか:当院の理学療法士の取り組みと問題点及び今後の課題について」 ※シンポジストとして参加
■発表者名:吉崎 広大
2017年日本芸術療法学会「認知症患者に対する記号分類に基づくピクトグラムの理解および記憶能力に関する研究」
■発表者名:岡澤 学
2017年日本医療安全学会学術総会「認知症治療病棟における転倒転落防止委員会の転倒転落対策の妥当性に関する研究」
■発表者名:岡澤 学/金井 啓揚/鈴木 良子/吉崎 広大
年度学会名詳細・発表者名
2016年日本認知症ケア学会
関東地域大会
「レビー小体型認知症患者に対する個別プログラムの効果」
■発表者名:岩瀬 正薫/小澤 春樹/岡澤 学
2016年日本認知症ケア学会「疎通困難、徘徊、易怒性が認められる若年性認知症患者に対する作業療法アプローチ:個別介入から集団活動への参加方法を検討した一例」
■発表者名:村山 彩加/吉崎 広大/片山 靖子/岡澤 学
2016年日本認知症ケア学会「認知症を有した胸腰椎圧迫骨折後に理学療法を介入を行った症例:認知症患者リハビリテーション料に基づいた介入を通して」
■発表者名:吉崎 広大/岡澤 学
年度学会名詳細・発表者名
2015年日本認知症ケア学会
関東地域大会
「B病院における向精神薬使用の最小限と身体拘束ゼロを指針とした認知症ケアの取り組み:BPSD・ADL・意欲の指標から見出される入院後の変化」
■発表者名:岡澤 学

スタッフ紹介

スタッフ数

作業療法士(常勤)26名・理学療法士(常勤)8名・音楽療法士(常勤)1名・音楽療法士(非常勤)1名・リハビリ助手(常勤)4名が在籍しております。(2024年10月現在)

資格および認定資格取得者

2024年10月現在

資格名人数
地域理学療法認定理学療法士1名
登録理学療法士2名
介護予防推進リーダー2名
地域ケア会議推進リーダー2名
フレイル対策推進マネジャー1名
理学療法協会指定管理者(上級)1名
日本作業療法協会臨床指導者認定2名
臨床指導者講習会修了(厚生労働省)9名
認知神経リハビリテーション学会アドバンスコース修了1名
認知症ケア専門士1名
認知症ライフパートナー検定1級1名
認知症ライフパートナー検定2級2名
認知症サポーター8名
介護福祉士2名
介護支援専門員2名
訪問介護員2級養成研修課程修了2名
福祉住環境コーディネーター2級5名
認定音楽療法士2名
アクティビティワーカー1名
ダイバーショナルセラピーワーカー1名