リハ科ブログ

音楽療法とは??

音楽療法とは??

2025年7月2日
当院には2名の音楽療法士が在籍しています。そもそも「音楽療法」と聞いてどんな印象をお持ちになりますか?癒し、病気の人が受けるもの、合唱、音楽の経験や知識がないと難しいなどが思い浮かんだでしょうか。
今回は当院が行っている音楽活動を通して、音楽療法を知って頂く機会になればと思います。
当院では主に集団リハビリの中で音楽活動を実施しています。音楽を用いることは歌う、聴く、演奏するの他に、感じる、共有する、共感する、思い出す、表現するなど、様々な目的があります。集団の利点を活かしつつ、個人に寄り添える活動提供を心掛けています。
認知症の方に音楽を用いる効果として①情緒の安定、②笑顔の増加、③嚥下機能の向上、④食事量の増加、⑤徘徊の減少、⑥記憶の想起などが挙げられます。

では、実際に行っている活動をひとつ紹介します。
曲は「鐘の鳴る丘」 楽器はハンドベル
曲中に出てくる「♪キン・コン・カン」に合わせて一音ずつベルを鳴らしてもらいます。
なじみのない楽器に戸惑う方もいますが、鳴らし方を十分に練習してから取り組むことで徐々に抵抗はなくなっていきます。ベルの操作性の理解や上肢動作を促す他に、若いころ聞いていたなじみの曲や心地よい曲を用いることで精神状態の安定や、他者と音楽を共有することで交流の機会をつくる目的があります。患者さん同士で「上手くいったわね」「素敵ね」といった声をかけ合うきっかけとなります。
最後に、音楽は記憶に結びつきやすいと言われています。みなさんも若いころ聞いていた曲を改めて聞き直し、懐かしい思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。

リハビリテーション科 I.M
実際使用しているハンドベル