入院患者定期評価報告
 
【データ収集期間】
2014.5~2018.3
 
入院患者定期評価報告1
年齢は80代と70代を合わせると全体の約8割を占めていました。
60歳代と50歳代を合わせても1割以下でしたが、90歳代は1割を占めていました。
入院患者定期評価報告2
性別では、男性、女性とも、ほぼ同じ割合でした。
入院患者定期評価報告3
入院日数は、90日以内が33%で最も多く、次いで91日~180日、181日~270日の順でした。
約6割の方が6ヵ月以内、約8割の方が1年以内に退院されていました。
入院患者定期評価報告4
診断名では、アルツハイマー型認知症(54%)とレビー小体型認知症(32%)が全体の8割以上を占めており、その他の認知症は少数でした。
入院患者定期評価報告5
入院理由の大部分はBPSD(認知症の行動と心理症状)の治療でした。
入院患者定期評価報告6
多くの方がBPSD改善し退院できました。
入院患者定期評価報告7
入院前は、ご家族様とご同居されている方が最も多くいらっしゃいました。次いで、他院入院中、在宅独居の順でした。
退院先は、ご家族様と同居される方が減り、有料老人ホームならびに特別養護老人ホームが多くなりました。
入院患者定期評価報告8
NPI(Neuropsychiatric Inventory)
認知症に伴う行動・心理症状である、『易刺激性』『興奮』『脱抑制』『異常行動』『妄想』『幻覚』『うつ』『不安』『多幸感』『アパシー』『夜間行動異常』『食行動異常』の12項目について、頻度、重症度、介護負担度で評価します。

BPSDとして、興奮の患者が最も多く、次いで、易刺激性、睡眠障害の順でした。入院から6ヶ月後には、興奮、易刺激性、睡眠障害が減少しましたが、うつ、無関心の程度に変化はありませんでした。 入院1週間後と6ヶ月後のNPIの評価点を統計的に比較し分析したところ、行動・心理症状の頻度、重症度、負担度のそれぞれについて有意な改善が認められました。
入院患者定期評価報告9
HDS-R(改訂 長谷川式簡易知能評価スケール)
簡易知能検査です。言葉を使った検査であり、失語症・難聴などがある場合は検査が困難となります。見当識や記憶などが含まれる9項目の検査です。

30点満点中20点以下で、認知症の可能性があるとされています。 患者全体の平均点は、入院後6ヵ月で有意に低下していました。これは、入院しても認知低下が続くことを意味します。
入院患者定期評価報告10
MMSE(Mini-mental State Examination)
認知症の診断用に米国で開発された検査で、HDS-Rと共通の項目もあります。11項目の検査で、30点満点中23点以下で認知症の可能性があるとされています。

患者全体の平均点は、入院時に比べると6ヵ月後にわずかに高くなっていましたが、統計的に有意な差ではありませんでした。したがって、MMSEによる評価では、認知機能に変化がないことになります。
入院患者定期評価報告10
FAB(Frontal assessment battery)は前頭葉機能(注意,意欲,判断,創造性,抑制など)を測る検査です.6つの課題から成り立っており,18点満点中15点以下で前頭葉機能低下の可能性があるとされています。

FABの平均点は入院時と6ヵ月後で統計的な有意差はありませんでした。したがって、前頭葉機能に変化はないことがわかります。