かわリハ

開院10年目
  2024.0501

2024年5月1日で当院は開院から10年目を迎えることができました。多くの患者様・ご家族様に支えられ、皆様のご指導とお力添えのおかげと深く感謝しております。

認知症専門病院のリハビリテーション科として何が出来るかを常に考えてきた10年間でした。簡単ですが、10年間の変遷を紹介できればと思います。 リハビリテーション科は開院と同時に活動を開始しています。開院当初は12名の作業療法士で立ち上げを行いました。4月から準備を始め、5月から精神科作業療法(集団リハビリ)を行っています。翌年2015年4月に理学療法士3名が入職し認知症患者リハビリテーション科(個別リハビリ)を開始しました。

精神科での個別リハビリは2014年4月から診療報酬上認められた項目であり、国内でも早い段階での導入でした。現在でも神奈川県内の精神科勤務の理学療法士は当院だけであり貴重な人員となっています。 2019年8月より「全ての患者様にリハビリを提供する」をスローガンに少しでも患者様にリハビリを提供していく活動を始めました。その一環として2020年2月に個別リハビリの日祝リハビリを開始、2021年6月に集団リハビリも土日祝日もリハビリを行い完全な365日リハビリが開始となりました。認知症治療病棟ではおそくら日本初の365日体制です。現在は理学療法士7名、作業療法士25名、音楽療法士1名、リハビリ助手3名が在籍しており、当初の3倍の規模となっています。

科内での活動はありますが、2020年より新入職員教育の3年制過程を導入した新人教育プログラムの確立をしてきました。学会発表は年間3演題を目標にコンスタントに実施しています。また臨床実習生も年間1名前後の受け入れが現在は7名となっています。良いリハビリ提供のためには質の高い教育も必要であり新人教育制度は毎年見直し行っています。

認知症に対するリハビリは社会情勢によっても大きく変化をしていきます。当院に入院してくる患者様の症状の多くは行動・心理症状の増悪の治療を主眼としており、今までの性格・環境も影響しています。今後も認知症の方は増加すると言われており、団塊の世代へと患者層が移ってきます。今までの技術や知識では対応できないこともあるため、リハビリテーション科では今年度より「新しいリハビリを考える研修」を開始し10年先を見据えたリハビリプログラムや関わり方を職員一同で考えています。これからもその時代にあった最善のリハビリが提供できるように、「全ての患者様に質の高いリハビリを提供する」をスローガンに取り組んでまいります。